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ピアノの鍵盤の数は88鍵のものがほとんどです。弦の数は230本前後です。
88鍵のものがほとんどというのは、鍵盤が88鍵以上あるピアノもあるのです。鍵盤が多いので弦の数も多くなります。ベーゼンドルファーのModel 290 Imperial(97鍵)やModel225(92鍵)などがあります。
どうして88鍵なのかというと、人間の耳で聴きとれる音の周波数は約20ヘルツから20,000ヘルツまでの範囲ですが 、音程として聴き分けることができる上限は聴覚が良い人でも4000ヘルツぐらいまでです。
一番低い音と、一番高い音を増やして音域を拡大したとしても人間の聴覚で聞き取ることは不可能だからです。
弦の本数は音の高さとピアノの機種によって違います。
低音域の音は一つの音に対して1本~2本ですが、中音域から高音域では一つの音に対して3本あります。
ピアノの弦は低音から高音になるに従って弦の長さが短くなっています。
弦の太さも低音域のものは太く、高音域のものは細くなり段階的に太さが変わります。
高音域の弦はピアノ線(裸線、はだかせん)ですが、これはピアノ専用の弦ではなく他の作業道具や機械などにも使われる金属の線をピアノに使っているのです。低音域の弦は巻線といい、硬鋼線の周囲に銅線を巻いてあります。
低音が1つの鍵盤に対し1~2本なのに対し、中音・高温が1つの鍵盤に対し3本ずつ張られているかというと、中音域・高音域の音は弦1本では音量が小さいからです。ですので弦を増やし音量を大きくして全音域のバランスをとるのです。さらに、音の伸びや音色を良くするといった役割もあります。
3本の弦それぞれのピッチ(音の高さ)をピッタリ正確に合わせるのではなく、ほんの少し変えることで音に豊かな表現を持たせることができるのです。キンキンとした鋭い音やトントンとしたまろやかな音を出すことができます。
コンサートホールで使われるピアノの調律では、曲目やピアニストによってピッチをわずかにずらします。ずらすことで音がうねり、余韻が長く感じられる効果を生み出すのです。このピッチを3本とも完全に同じにすると、鍵盤をたたいた時は強い音が出ますが、急に減衰してしまいます。